イチロー選手の現役引退記者会見から学ぶもの

バッターボックスのイチロー選手 blog
バッターボックスでのお馴染みのポーズ。イチロー選手の打席の1球1球の盛り上がりは凄いものがありました。

こんにちは、代表の富山です。

先週、メジャーリーガーのイチロー選手が、29年間の現役生活に終止符を打ち、引退しました。

私も野球は好きで、小学生の頃は少年野球チームにも参加していましたし、学生時代にはしばしば球場で野球観戦もしていました。
イチロー選手について言えば、(ほとんどの人がこのエピソードを挙げそうですが)2009年第2回WBCでのスランプと活躍のドラマに心から感動した事は、今でも鮮明に覚えています。

昨年、久しぶりに社員に誘われて東京ドームへ行き、野球観戦の魅力を思い出していた所だったのですが、今回もその野球好きな社員に誘われて、運良くMLB開幕戦を見に行くことができまして、イチロー選手の現役最後の雄姿をこの目に焼き付けることができました。

チケットは入手困難となっており、誰しもが立ち会える訳では無かったと思いますので、チケットを取ってくれた社員には本当に感謝しています。

そんな事もあり、イチロー選手が引退を発表した21日夜の記者会見は生放送で見ていましたが、素晴らしいメッセージがいくつもありましたね。

今日はその中でも、特に私の心に深く刺さった言葉を、いくつか紹介させて欲しいと思います。

今日のあの球場の出来事、あんなもの見せられたら後悔などあろうはずがありません。もちろん、もっと出来た事はあると思いますけど、結果を残すために自分なりに重ねてきた事。他人(ひと)よりも頑張ったという事はとても言えないですけれども、そんなことは全くないですけれども。自分なりに頑張ってきたという事は、はっきりと言えるので。これを重ねてきて、重ねることでしか後悔を生まないという事はできないのではないかなと思います。

これは、イチロー選手が「引退という決断に、後悔や思い残した所はないか?」という質問に答えたものです。

「後悔などあろうはずがありません」という言葉は、ニュースの見出しにもなっていた印象的な言葉でしたが、個人的にはその後に続く言葉の方が刺さりました。

「他人より頑張ったとは言えない」という謙虚な姿勢がありつつも、「自分なりに頑張ってきた」という事を自信を持って言える。中々できる事ではないと思います。

本当に頑張っている人は、“頑張っているよ”というアピールは恐らくしないんだと思います。「頑張ること」が目的ではないですからね。でも、なかなか結果が出なかったりすると、「頑張っていること」をアピールしたくなる。でも、それじゃダメなんですよね。

イチロー選手のこの言葉は、自分の中にある弱さに甘えてしまっていては、まず出てこないと思います。

私自身も「自分なりに頑張れること、まだまだあるんじゃないかな」と、「あの時、もっと頑張っておけばよかったな」という後悔が生まれないようにと、気が引き締まる思いでイチロー選手の言葉を聞いていました。

マリナーズベンチ

東京ドーム3塁側、マリナーズベンチ。写真は1塁側2階席より。イチロー選手、何処にいるか分かりますか?

野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。自分が熱中できるモノ、夢中になれるモノを見つければ、それに向かってエネルギーを注げるので、そういうモノを早く見つけて欲しいなと思います。それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁も、壁に向かっていける、向かうことができると思うんです。それが見つけられないと、壁が出てくると諦めてしまうという事があると思うので。色んな事にトライして、自分に向くか向かないかというよりも、自分の好きなモノを見つけて欲しいなという風に思います。

これは、イチロー選手自身が苦手と言う「子供たちへのメッセージ」として答えたものです。

仕事をする上でも、やっぱり熱中できる、夢中になれるっていう要素は必要だと思います。それはつまり、好きになること、好きだと思えることなんじゃないでしょうか。好きだと思えるからこそ、熱中できるし、夢中になれる。そこに“気持ち”が入るんだと思うんです。

“気持ち”のない仕事では、良い成果なんて出せる訳がない、と個人的には思っています。ただでさえ、自分の前に大きな壁が立ちはだかったら、誰だって面倒だし逃げたくなるのに、嫌々でやる仕事だったとしたら、その困難に立ち向かおうとは思えませんよね。

だからこそ、当社の仕事においては、少しでも本人が好きだと思える仕事に就けるようにする努力は惜しみません。

もちろん、利益だけを追求するならば、もっと儲かる仕事はあるでしょうし、普通は営業が取ってきた仕事を「はい、じゃあ来月からこの現場行ってね」というように、エンジニアは仕事を選べないというのが一般的なんだと思います。

ですが当社では、最低限の利益を確保できるのであれば、その中で自分のやりたい仕事をエンジニアに選ばせ、できる限り本人の希望に沿った仕事にアサインできるようにしています。

選べる選択肢の幅は、まだまだ少ないかもしれませんが、今後、更に会社規模を拡大して、本当の意味で、社員が好きだと思える、熱中できる、夢中になれる仕事ができる、選べる会社にしなくてはと、イチロー選手の言葉を聞いて強く思いました。

守備に就くイチロー

守備に就くイチロー選手。現役姿を生で観るのは、これが最初で最後なんだろうなと思いながら観ていました。

ただね50まで、確かに、最低50までって本当に思っていたし、まあでもそれは叶わずで、有言不実行の男になってしまった訳ですけど。まあでも、その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかもなという思いもあります。だから、言葉にする事、難しいかもしれないけど言葉にして表現する事っていうのは、目標に近づく一つの方法ではないかなという風に思います。

これは「常々、最低50歳までは現役とおっしゃっていたように思うんですが」という質問に対して答えたものです。

言葉にすること、本当に大切だと思います。

私も、あえて言葉に出すことで、自分自身にプレッシャーと責任感を芽生えさせ、その目標を達成する為に具体的に行動をしていく。そんな事を大切にしながら、私も会社経営をしています。

もし出来なかった事を考えたらとか、言葉に出してしまったらやらなければいけないからとか、もっと言えば、有限不実行になってしまったら格好がつかないとか。もちろん、リスクを認識し意識することは大切なんですが、それ以上に、目標達成に向かって前向きに考える、ある程度のプレッシャーと責任を自分に課して、自分自身を本気にさせる事が重要なんじゃないかと思います。

後ろ向きに考えるのではなく、ある意味で失敗を恐れずにチャレンジしようとする気持ちを持つことが大切なんだよなと、再認識させてくれる言葉でした。

イチロー選手

ネクストバッターサークルに入るイチロー選手。ヒット1本が出なかったのは、本人も悔しがっていましたね。

生き様というのは僕にはよく分からないですけど、生き方という風に考えれば、先程もお話しましたけれど、人より頑張る事なんてとても出来ないんですよね。あくまでも測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくという事を繰り返していく。そうすると、いつの日にかこんな自分になっているんだ、っていう状態になって。だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないという風に思うんですよね。なんか一気に、一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とやっぱギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。まあ地道に進むしかない。進むというか、進むだけではないですね。後退もしながら、ある時はもう後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めた事をまあ信じてやっていく。

でも、それが正解とは限らないですよね。間違った事を続けてしまっている事もあるんですけど。でも、そうやって遠回りをする事でしか、なんか本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。そうやって自分なりに重ねてきた事を、今日のあのゲーム後のファンの方の気持ちですよね。それを、見た時に、ひょっとしたらそんなとこを見ていただいていたのかなという風に。それは嬉しかったです。そうだとすればすごく嬉しいし、そうじゃなくても嬉しいです、あれは。

「イチロー選手の生き様でファンの方々に伝えられたことや伝わっていたら嬉しいなと思う事はありますでしょうか?」という質問に対するイチロー選手の答えです。

この、「一気に、一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とやっぱギャップがありすぎて、それは続けられない」という言葉は、私にとって、とても励みになる言葉でした。

当社は設立から今年で8年目を迎えます。「自社サービス・自社製品を作りたい」という目標を掲げて起業しましたが、未だにその目標は達成されていません。中には創業後、僅か2~3年で社員数100名以上の大きな会社となり、成果を出している会社もある中で、そういった会社を見ていて、焦りを全く感じていないと言えば嘘にはなります。

ですが、この7年間で何もしていなかったのかと言われれば、目標に向かって、ゆっくりではありますが着実に前に進んできたという事は、自信をもって言えます。それを当社の社員も理解してくれており、いずれ目標が達成されることを期待しつつ、目の前の仕事を頑張ってくれています。

もちろんこの先、「後退しかしない時期」、「間違った事を続けてしまっている」という時期もあるかもしれません。そうやって、少し遠回りをしてしまったとしても、「自分達の限界を見ながら、ちょっと超えていくという事を繰り返していく」という、そういう努力は、自分たちなりに少しずつの積み重ねをすることは、続けていきたいと思います。

バッターボックスのイチロー選手

バッターボックスでのお馴染みのポーズ。イチロー選手の打席の1球1球の盛り上がりは凄いものがありました。

成功かどうかって、よく分からないですよね。じゃあどこから成功で、そうじゃないのかっていうのは、まったく僕にはそれは判断できない。まあ成功という言葉は、だから僕は嫌いなんですけど。メジャーリーグに挑戦する、どの世界でもそうですね新しい世界に挑戦するということは、大変な勇気だと思うんですけれど。でも成功、ここではあえて成功と表現しますけど、成功すると思うからやってみたい。それができないと思うから行かないという判断基準では、後悔を生むだろうなという風に思います。やりたいならやってみればいい。できると思うから行く、挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。

「これだけ成功なさって。イチローさんは今、何を得たと思いますか。」という質問に対するイチロー選手の答えです。

「じゃあどこから成功で、そうじゃないのか」。この言葉には、少しハッとさせられましたね。そして、後半の部分丸々、とても素敵なメッセージだと思っています。

「出来るかどうかは分からないけれど、出来る事からやってみよう」という考えは、本当に大切です。特に、年齢を重ねてくると、それまでの様々な経験から、物事を判断することが多くなります。もちろん、経験から判断することは、有効であることも多いのですが、その経験が邪魔をして頭が固くなってしまうこと、その経験が自分自身の不必要なプライドとなり、一歩前へ踏み出そうとしないという事もでてきます。

否定や批判は誰でもできるし、やったってしょうがないと諦める事は簡単です。でも、本当に望むことなら、やってみたいと思うことなら、例え実現が困難だったとしてもやってみる。一歩前へ踏み出してみる。そして、どんな小さなことでも、自分が出来る限りの事を惜しまずにやってみる。そういう姿勢が大切なんじゃないかと思います。

私は、それが1%でも成果が出る可能性があることなら、例えそれが面倒で時間のかかる事だったとしてもやっておきたい、という考えの持ち主です。自分の出来ること、出来得ることを全てやった上で、それでも結果が出なかったら、しょうがない。それは、後悔の気持ちではないと思いますし、その結果に向かって行動したこと、努力したこと自体は、自分自身の“糧”になっていると思います。

そういう意味からも、イチロー選手のこの言葉は、私にとってとても共感するものでした。

出塁したイチロー選手

MLB開幕戦、第2打席には四球で出塁しましたが、思い返せば、これが現役最後の出塁になったんですね。

アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取る事は出来たとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。孤独を感じて苦しんだ事、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、辛い事、しんどい事から逃げたいと思うのは当然の事なんですけど、でもエネルギーのある元気な時にそれに立ち向かっていく。その事は凄く、人として重要な事なのではないかなという風に感じています。

これは「孤独感はずっと感じながらプレーしていたんでしょうか。」という質問に対して、「現在、それは全くない」と答えた上で「それとは少し違うかもしれないですけど」と言ってイチロー選手が話した言葉です。

「エネルギーのある元気な時」、これは若いうちにとも言い換えられるとも思うんですが、その時期にあらゆるモノに立ち向かっていくこと。自分自身が成長する上で、私もこれは本当に重要なことだと思います。

私も新人時代は、所属する会社ではほとんど教育をしてもらうことなく、開発現場へと出されました。入社前研修4日間の知識で、業務レベルのプログラムを組んでいたり、入社後わずか1ヶ月程で、銀行システムの本番環境で作業をしたり、Oracle Goldの教科書を渡されて「明日からPL/SQLをやってもらうから」と全く経験のない仕事を指示されたりと、かなり大変な思いをしたのを覚えています。

もちろん、新卒の人間が業務時間中だけで何とかなるレベルの話ではありませんでしたので、帰宅後に似たような開発環境を組んで勉強したりしながら、求められたこと、与えられた仕事は何が何でもやってやるんだという気持ちで必死に食らい付きました。

結果、会社の同期の中では誰よりもスキルが身に付きましたし、あの頃の苦労、辛くしんどかった経験が無ければ、今の私は無いとも思っています。大袈裟ではなく本当に。

立ち向かえる壁の高さには、もちろん人それぞれ度合いの違いはあると思いますが、やはり目の前の困難から逃げずに立ち向かっていく。それを自分ができる、可能な範囲内で構わないから、立ち向かっていく。そういう気持ちを持って、目の前の仕事に向かっていく事が大切なんだなということを思いながら聞いていました。

最終回

MLB開幕戦は、マリナーズが乱打戦を制し9-7で勝利。イチロー選手の出場した試合、勝って良かったです。

かなり長くなってしまいましたが、イチロー選手の現役引退記者会見での言葉を受けて、私自身が感じたことを書いてみました。

イチロー選手の現役引退記者会見を通して感じたことは、これだけの結果を残したイチロー選手ですら、全てが順調だという訳ではなかったのだな。長い年月をかけて、イチロー選手ですら、自分自身の考えに変化が出てくるんだなと、それは考えてみれば当たり前のことかもし得ませんが、改めてそう思いました。

この現役引退記者会見で、私は沢山の素敵なメッセージをイチロー選手から貰ったと勝手に思っているのですが、これだけの結果を残したイチロー選手だからこそ、その言葉には説得力と重みがあるのだと思います。

私がイチロー選手のようになれるとは思いませんし、なろうと思うこと自体、それは違うとは思いますが、イチロー選手に負けないよう、やりたいと思うこと、実現したいと思うことに向かって、自分なりに頑張ることを積み重ねることを怠らずに、結果を出すことに拘っていきたいなと思いました。

もちろん、引退した後のこれからのイチロー選手にも、注目していきたいと思っています。

最後になりますが、このメッセージは本人には届くことは無いと思いますが、イチロー選手、29年間本当にお疲れさまでした!

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社長

社長

オープン系アプリケーションシステムのエンジニア・プロジェクトリーダーとしてパッケージシステムの開発に従事した後、経営企画職を経て、現在、株式会社システムフリージア代表取締役。 経営者としての顔を持つ一方、自社ビジネス拡大のためプロジェクトマネージャとしても活躍中。
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