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役員クロストーク

役員クロストークインタビュー:2

システムフリージアの裏表(うらおもて)、成長の理由と大きな障壁

村田:システムフリージアは昨年(2018年)の九月で設立六年目を迎えたという事ですが、起業してから五年で八割以上の会社が倒産してしまう中で、システムフリージア社が生き残れている理由は何だと考えられますか?

富山:経営基盤といいますか、まずは会社の土台をしっかりさせなきゃいけないなという思いで、最初から凄く堅実な経営をしてたっていうのが理由だとは思いますね。

元々、私と社員の二人で起業したって話はしたと思うんですけど、既に社員がいる状態から会社がスタートしたんで、社員を養うために直ぐにでも稼がないといけなかったんです。

私一人のベンチャー起業として立ち上げた会社だったら、まあ六畳一間で毎日カップラーメン食べながら、半年ないし一年間ぐらいは、もう苦しみながらやるみたいなのができるんですけど、その時システムフリージアに来てくれた社員は、そういう考えは無かったので。

なので、最初に自社サービスないし商品を作るというよりは、とりあえず直ぐに稼げる仕事をということで、前の会社と同じように客先に常駐して開発をやる事にしたんです。

まずは仕事を探して、見つけた仕事を確実に取って、とにかく経営を安定させなくちゃなと。

でも何にもない所から会社を創ってるんで、それこそリスクだらけじゃないですか。今のお客さんからの仕事が無くなったらどうしようとか、社員の仕事が無くて空いちゃったらどうしようとか。

なので、考えられるあらゆるリスクを考えて、いざ何かあった時でも大丈夫なように、様々な策を講じました。そういう意味では、営業として石井さんに合流してもらったのもそうですし、節税対策や経費対策とかも、できる事は全部しましたよ。

何があっても絶対に会社が潰れないように。とにかく堅実に、絶対に無茶はしないでっていう所でやってきた結果、生き残れているんじゃないかなとは思いますね。

◆村田メモ(3)◆
=システムフリージアの経営基盤=
システムフリージア社は設立以来、毎年増収の黒字経営を達成しており、今年度(2019年)の売上高は遂に1億円を突破する見込みなのだとか。

そして何より驚いたのが、これまで一度も銀行から借入をしたことが無く、今現在も無借金で経営を続けているという事実。富山さんの堅実な経営手腕がここにも表れているんだなと感じました。

村田:石井さんはどうお考えですか?

石井:それは、まあ少ない人数の社員ではありましたが、営業として仕事を見つけてきて、社員に一切空きを作らずに仕事をしてもらう事で、少なからず会社基盤というものは確保できたかなと。それを五年間続けてきたっていうのが前提としてあるとは思います。
+α、中途で入社してきた社員がこの会社から去るということ、つまり辞めるっていうことも無く、皆がこの会社に残ってしっかりやってくれていることもあると思います。

村田:その、仕事を切らさないようにするっていうのは言うのは簡単じゃないですか。
何故それが、営業として自分ができていると考えられますか?

石井:多くのパートナーさんとのコネクションですよね。そこを絶やさずに常に増やしていこうという。そういうことを営業としてやってきたことが、今に結びついていると思っています。

私の能力的な力と言いますか、歳が上だろうが下だろうが、新入社員だろうが、この業界が初めての人だろうが、誰であっても分け隔たりなく親しい感じで話す事ができるというのは、他の営業さんではできない、私の「人との関係を築く上手さ」と言いますか、良さだと思っています。

村田:噂ですけれども、色んな会社からパートナー企業としてのコネクションを作るために、若い営業の人がシステムフリージア社に差し向けられてくるけれども、割と親切にしているという話を聞いたんですが?

石井:ええ、その通りですね(笑)

村田:若い営業の人には、この業界の先輩として話を聞いてあげたり、時にはこの先についてアドバイスをしてあげたりと?

石井:そうですね。悩み事があれば何でもいいから相談しにきてよって話はしているので。その結果、まあ結構私の事を慕ってくれる営業さんが増えたんではないかと。それが、結果的に仕事にも繋がっているという風に、私はそう思っていますけれども。

◆村田メモ(4)◆
=システムフリージアの営業力=
システムフリージア社は、大きな会社さんから定量的にお仕事を貰えている訳ではありませんが、創業から今までの社員の稼働率は100%のようです。

これは、石井さんがシステムフリージア社に合流して以来、実に700社を超えるパートナー企業さんを開拓し、多くの営業マンとのコネクションを持っているから実現できている数字だという事のようです。

村田:それでは、ここまで何事もなく順調に成長してきたという事でしょうか?

富山:いやー、そんな事はないですねぇ…
さっき、システムフリージアを始めたのは二人って言ったんですけど、実はその創業メンバー社員は、もういないんですよ。

村田:あら、そうなんですか。

富山:そうなんです。

起業当初は、私と社員の給料を稼ぎながら会社を回していかなきゃいけないという事で、私自身に全く売上がないっていうのは厳しかったんで、私も現場に入る事にしたんですよね。

ただ私については、現場に出て売上を沢山稼いでくるのが目的ではなくてですね。あくまでも会社を事業継続させる為のお金を稼ぐため、社員に十分な給料を払えるような状態を維持するために、多少なりとも私が稼いでいないとダメだった、ということで現場に入ることにしたんです。

なので私が入る現場も、ただお金を稼げる現場という訳ではなく、システムフリージアは元々自社サービスを創りたいという事で立ち上げた会社なので、その自社サービスを創る為のノウハウを磨き吸収できるお客さんの所で、かつ、多少なりとも売上が上がる現場という事で考えていました。

そのため、実際に私が入った現場は、何も面識のない所から私が直接飛び込み営業をかけて、何とか無理くり入れてもらったという感じだったので、本当に足りない分を補うくらいの売上しかなかったんです。そうなると当然、もう一方の創業メンバー社員が入っている現場の方が売上は断然高いわけですよ。でもまあ、それはそうですよね、社員の方は現場で利益を上げてくるのがミッションなので。

それからシステムフリージアに社員が入社すると、基本的にその創業メンバー社員が入っている現場に提案して、どんどん増員させていくことになるんですが、そうなると必然的に、初めにその現場に入っていた創業メンバー社員が中心となって、その現場で売り上げたお金で会社全体を賄っていく、という構図になってきます。そうなった時に、創業メンバー社員の中に「俺がこの会社を引っ張ってるんだ」、「俺がこの会社の売上の殆どを上げているんだ」という気持ちが出てきてしまったようなんですよね。

村田:その結果、チームプレイが崩れてしまったと?

富山:そうです。元々は、社員がプロジェクト先でしっかりと売上をあげる。そして私が、先行して新しい事を、色んな事に挑戦するというスタンスでやっていく筈だったんですけど、だんだんと認識がズレてきてしまって。

「今の現場に社員が沢山入れたのは、全部俺の手柄だ」、「俺がこんだけ稼いでるんだから、俺に金をくれ」みたいな、ちょっとそういう、自分が一番みたいな、自分の利益だけしか考えないような感じになってきちゃったんですよね。

村田:でも実績だけで見れば、それはある意味正しい主張ではないですか?

富山:もちろん、実際に稼いでいるのは社員ですし、その創業メンバー社員に対する現場での高い評価もあって、新しくシステムフリージアに入社した社員が同じ現場に入れてもらえるという事実も、あるにはあります。

ただ社員が現場に入れるというのは、その現場に入る社員を確保するための採用活動をしたり、現場に入れてもらう為の面接練習や職務経歴書のブラッシュアップをしたり、日頃からお客さんとの親密な関係を維持するための営業活動をしたりと、本人の現場での売上・評価だけでなく、その他沢山の要素が合わさっての結果ですので、経営者の立場からすると売上だけで全ての評価を決められる訳ではないんですよね。

ですので難しい決断というか、一人だけそういう評価にするのはやりたくなかったんですけど、収まりがつかなくなってしまったので、そこはまあ分かりましたという事で、その創業メンバー社員だけは本人の希望通り、現場での売上ベースで評価をするようにしたんです。

でもある時、その創業メンバー社員が、現場からNG出ちゃったんですよ。システムフリージア社内でのそういう態度が、どうやら現場先でも出てしまっていたみたいで、いつの間にかお客さんからの信頼を失い、評価も下がっていたようなんです。

村田:それはいけませんね。

富山:それで、他の現場に移らなきゃいけなくなったっていう時に、売上もかなり落ちる事は避けられませんでした。NG出た現場では、元々システムフリージアの社員をまとめる中心人物で、ポジション的な所からも高い単金を貰っていましたので。でも他の現場に移るとなると、現場での信頼関係の構築は、また一からという事になるんで、どうしても金額が下がってしまいますからね。

創業メンバー社員は、本人の希望で売上ベースの評価にしていたので、当然「売上が下がるのであれば評価も下がります」という話をしたんですけど、まあそこをかなりゴネたんですよね。

だからやっぱりもう、完全にその自分、自分自身の利益の事しか考えられなくなってしまってたんじゃないかなと思うんですけど、まあそういう事があって、評価が下がってしまう事に最後まで納得をしてくれず、結局、辞めてしまったという事がありました。

村田:そうだったんですね。
石井さんからみて、この一件はどういった感想を持たれてますか?

石井:そうですね。創業メンバーで入った社員の割には、この会社を良くしようという思いが少なかったのかな、というのが正直な所ですかね。

村田:経営的な面の視点が欠けていたという事ですかね。

石井:欠けていたように思いますね。会社の利益の事もそうですけど、会社の状況とか、そういう事もですよね。富山さんが会社全体の事を考えて行動している中で、彼の主張や行動は、会社は今こういう状況だというのを理解しようとしないものに思えてしまいますので。

自分がいるから、この会社はやっていけるという考えが強かったので、結果的に言うと、彼の考えがこのまま変わらずに続けていったとしたら、会社は意図ならず傾いていくだろうとも感じましたので、私が本人と話し合いをした結果、一緒にやっていくのは難しいという事で、最終的には決断したっていう感じですね。

ですので、あのまま続けるよりは一緒にやらずに別れた方が、その時はお互いの為に良かったという風には、今でも思いますけどね。

村田:技術者と経営者と、その視点がだんだんズレてしまって、袂を分かってしまったという感じですよね。

富山:そうですね。

まあ社員ではあったんですけど、やっぱり創業メンバーだったんでね。中心を担う一人になってもらいたいという思いもありましたし、一緒に頑張っていきたいという思いはあったんですけど。

村田:もう少し会社愛が欲しかったなって言ったとこですかね。
一緒に盛り立てて欲しかったのになっという。

富山:まあ、会社より自分という、そういう考えになってしまうのを止められなかったのはあるとは思います。
その、自分に走らせてしまった所は、それを防げなかったのは、私が悪かったんだろうなと。

でもそれが、ウチの会社を始めて以来、一番の大きな事件というか、障壁というか、だったかなぁとは思いますね。
創業メンバーだと、やっぱり影響力も大きいんで、そういう意味ではその社員がいなくなったっていうのは、会社としては大きなことだったかなぁと。

村田:しんみりしますね。

富山:でもやっぱり一人でも欠けると、なかなか前に進めなくなっちゃうんで、ウチはやっぱり。

今こうやって採用もしてますけど、やっぱり一人でも多くの人が入ってくれれば、どんどん前進するんですけど、一人辞めてしまうと、やりたい事を前に進められないっていうのがあるので。

だから、とにかくその、この一件があったからじゃないですけど、やっぱり社員に対しては、なるべくケアをしていきたいとは思いますけどね。

村田:そういう気持ちを強くされた一件なんですね。

富山:そうですね。

◆村田メモ(5)◆
=ホスピタリティを重視するシステムフリージア=
お客さん先に常駐して働く際の労働環境は「基本的には現場次第」となってしまう中で、システムフリージアさんでは、会社としてできる最大限の支援・フォローを行っているとのことです。

そのため、システムフリージア社で働く社員さんの満足度は高く、中途採用で入社された社員さんは今まで(2018年当時)1人も退職されていないそうです。

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